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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻1号

2002年01月発行

文献概要

今月の症例

種痘様水疱症様の皮疹を呈し,死の転帰をとった皮膚のEpstein-Barrウイルス関連リンパ球増殖症の1例

著者: 竹内紋子1 石地尚興1 上出良一1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.19 - P.22

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 16歳,女性.7歳頃から顔面に紅色丘疹や水疱が出現し,皮疹は徐々に躯幹へ拡大した.初診時,全身に直径約1cmまでの壊死性痂皮を伴う潰瘍と瘢痕が多発しており,1週間前より続く40℃の発熱を伴っていた.病理組織学的に真皮浅層から皮下脂肪組織の血管周囲に,一部に異型性を有するリンパ球の稠密な浸潤がみられた.浸潤細胞はT細胞系で,約30%がlatent membrane protein−1陽性,約30%がEB virus-encoded small nuclear RNAs陽性であったことより,種痘様水疱症様皮疹を呈したEBウイルス関連リンパ球増殖症と診断した.初診の翌日,全身の血疱と皮下出血,腹痛が生じて他医を受診し,翌々日に死亡した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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