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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻1号

2002年01月発行

文献概要

症例報告

6年後に転移を認めた悪性外毛根鞘腫

著者: 三好研1 平田靖彦1 小玉肇1 松浦喜美夫2 荒木京二郎2 小田勝志3 福冨敬3

所属機関: 1高知医科大学皮膚科学教室 2高知医科大学第1外科 3高知医科大学第2外科

ページ範囲:P.80 - P.82

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 54歳,女性.右鼠径部の腫瘍が広範囲かつ動静脈を巻き込んで深達していたために広範囲に摘出し,腫瘍細胞に取り囲まれた動脈は中膜レベルで剥離し,大腿静脈は人工血管に置換した.術後,肉眼的には確認できない腫瘍細胞が残存している可能性を考え,インターフェロンβ 300万単位を27回局注した.2年後の現在,再発は認めていない.腫瘍細胞は異型性が強く毛包分化を示し,34βE12を表出したが,34βB4を表出しなかったことから,悪性外毛根鞘腫と診断した.6年前に摘出された右大腿部腫瘤も同様の病理組織学的所見を呈していたため,右鼠径部腫瘍はリンパ節転移と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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