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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻10号

2002年09月発行

原著

B型肝炎にみられた皮膚症状—leukocytoclastic vasculitis,苔癬型組織反応を認めた症例

著者: 嵯峨兵太1 檜垣祐子1 川島眞1 清水京子2 中村哲夫2

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学消化器内科学教室

ページ範囲:P.791 - P.794

文献概要

 症例1:64歳,男性.咽頭痛,リンパ節腫脹とともに両下肢に半米粒大の紅斑,紫斑が多発した.肝酵素の急激な上昇を認め,HBs抗原陽性で急性B型肝炎と診断した.紫斑の組織像はleukocyto—clastic vasculitisであり,HBs抗原を含む免疫複合体によるserum sickness-like prodromeと考えた.症例2:23歳女性.B型肝炎ウイルスのキャリアであり,seroconversion目的でステロイド,次いでインターフェロンαの投与中,肝酵素の上昇に伴い手背,足背に小紅斑が出現した.組織像は液状変性,表皮細胞の好酸性壊死とリンパ球の表皮内侵入,真皮上層の血管周囲性のリンパ球の浸潤で苔癬型組織反応を示した.皮疹の発症において,細胞傷害性Tリンパ球の関与が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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