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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻10号

2002年09月発行

文献概要

臨床統計

乾癬外用療法におけるステロイドからカルシポトリオールへの切りかえによる臨床効果

著者: 梅澤慶紀1 飯塚万利子1 松山孝1 川久保洋1 小澤明1

所属機関: 1東海大学医学部医学科感覚学系皮膚科学部門

ページ範囲:P.795 - P.798

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 乾癬の治療においてステロイド外用薬から活性型ビタミンD3外用薬への切りかえにより,治療効果が不十分な場合や,症状が悪化するなどの経験をすることがある.今回,カルシポトリオール外用薬においても,同様な経過が生じるかどうか観察し,乾癬における外用薬のより有用な治療法について検討した.対象は乾癬患者43例とし,今まで外用していたステロイド外用薬を対照薬として左右比較試験を行い,3か月間の臨床経過を観察した.その結果,3か月後の臨床評価は,改善:25例,同等:5例,悪化:4例,中止:9例であった.約7割の症例で有効性を認め,活性型ビタミンD3外用薬は乾癬の主外用療法になりうるものと考えられた.しかし,3か月間の経過観察で,最初は治療効果を認めたがその後徐々に皮疹が悪化する症例もあり,切りかえ直後だけでなく,経時的な症状の変化に注意を要すると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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