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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻10号

2002年09月発行

文献概要

症例報告

市販の解熱鎮痛剤内服により生じた急性全身性発疹性膿疱症の1例

著者: 佐々木喜教1 笹井収1 松永純1 田上八朗1 大井知教2

所属機関: 1東北大学医学部皮膚科 2大井皮膚泌尿器クリニック

ページ範囲:P.810 - P.813

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 16歳,男性.生後48日目に一卵性双生児である弟とともに膿疱性乾癬を発症した.治療に抵抗性であり膿疱化を繰り返していたが,成長とともにその頻度が減少し,最近では皮疹を認めていなかった.しかし,6年前にイブプロフェンを主成分とする市販の解熱鎮痛剤を服用後,全身に膿疱が多発した既往がある.今回,市販のアスピリンを主成分とするバファリンA®を服用した翌日より,高熱とともに全身に紅斑と粟粒大膿疱が出現した.病理組織学的に典型的なKogojの海綿状膿疱と真皮乳頭の著明な浮腫と好酸球浸潤がみられた.補液とペニシリン系抗生剤の点滴投与を数日行い,皮疹は一週間ほどで略治した.バファリンA®のパッチテストで陽性であったことから膿疱型薬疹の一型とされる急性全身性発疹性膿疱症と診断したが,膿疱性乾癬の内的ケブネル反応とも解釈できる症例であり報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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