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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻10号

2002年09月発行

文献概要

症例報告

Exophiala jeanselmeiによるPhaeohyphomycosisの1例

著者: 常光龍輔1 中西元1 山崎修1 近藤厚敏1 赤木理1 佐々木恵美2

所属機関: 1社会保険広島市民病院皮膚科 2社会保険広島市民病院細菌検査室

ページ範囲:P.821 - P.823

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 64歳,男性.職業は農業.多発性筋炎のためプレドニゾロン内服中,左手首に発赤を伴う結節を生じた.感染粉瘤を疑い全摘するも,手術から1年2か月後に同部位に結節が多発したため,当科を再受診.組織学的には真皮内に辺縁にepithelioid cellの集簇を伴った好中球性の膿瘍と多数の核塵を認めた.PAS染色にて菌糸,胞子型の真菌要素がみられ,菌学的にはサブロー培地で黒色絨毛状のコロニーを形成しスライド培養の結果,Exophiala jeanselmeiと同定した.イトラコナゾール100mg/日内服を2か月半続けるも症状不変のため,局麻下にすべての結節を全摘した.その後フルコナゾール100mg/日内服を4週間続け,現在無投薬で経過を観察しているが再発はみられていない.結節が多発したexophiala jeansemei感染症は比較的稀なため,日和見感染症の一つとして報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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