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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻10号

2002年09月発行

文献概要

症例報告

トラニラストが奏効した汎発性環状肉芽腫症の1例

著者: 水島八重子1 園田京子1 小楠浩二1 白井滋子1 森脇真一2

所属機関: 1富士宮市立病院皮膚科 2浜松医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.836 - P.838

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 64歳,男性.初診の1年前より上半身に自覚症状のない紅色丘疹および結節が出現した.皮疹は徐々にその数を増し,初診の1か月前より皮疹が多発融合してきたため当科を受診した.病理組織学的には,真皮内に限局性の膠原線維の断裂を認め,膠原線維間には組織球や巨細胞が浸潤する肉芽腫反応を示したため,汎発性環状肉芽腫と診断した.生検後も自然消退を認めなかったため,ステロイド外用剤およびオキサトミド,塩酸エピナスチン,あるいはメキタジン内服による治療を計5か月間行ったが,皮疹は新生,拡大した.トラニラスト内服(300mg/日)を開始したところ皮疹の新生が止まり,徐々に色調と隆起が軽減してきた,しかし,1年10か月内服したところで,トラニラストによる副作用と思われる頭痛が出現し内服継続が困難となったため,トラニラストを中止したところ皮疹は再燃した.治療をフマル酸ケトフェチン,ジアフェニルスルホン,グリセオフルビン,塩酸アゼラスチンに変更したが,これら薬剤では明らかな効果は得られていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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