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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻10号

2002年09月発行

文献概要

症例報告

広基性に隆起したgranular cell tumorの1例

著者: 関姿恵1 田村敦志1 石川治1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.850 - P.852

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 52歳,男性.約5年前に胸部に隆起性皮疹が出現,徐々に増大した.初診時,左胸部に27×24×20mm,黄褐色調の広基性に皮面より突出した腫瘤を認めた.病理組織学的に表皮直下から皮下脂肪織上層まで,細胞質が好酸性に染まる腫瘍細胞が充実性に増殖し,胞体内に微細顆粒が充満していた.細胞質内顆粒はPAS染色陽性,免疫組織化学染色ではS−100蛋白およびneuron specific enolase(NSE)陽性であり,granular cell tumorと診断した.過去21年間の本邦皮膚科領域における報告例は148例で,臨床的に黄褐色調または黄色調を呈した例は13例あり,本腫瘍の特徴的な色調の一つと考えられた.しかし,広基性に皮面より隆起したとの報告例はなく,自験例は稀な形態をとったgranular cell tumorであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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