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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻10号

2002年09月発行

文献概要

症例報告

多発性グロムス腫瘍の1例

著者: 牧万里子1 富山幹1 竹下芳裕1 川口博史1

所属機関: 1国立相模原病院皮膚科

ページ範囲:P.854 - P.856

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 25歳.男性.小学生の頃に左下腿後面に径10mm程の青紫色結節が出現し,徐々に大腿,前胸部,背部,上腕に多数増加した.個々の皮疹は圧痛をわずかに認めるが自発痛はなかった.組織学的には,被膜を持たない結節の病変部の中央に大小不規則に拡張した血管腔を認め,その周囲には好酸性の細胞質と類円形の核を持つグロムス細胞が多数認められた.免疫組織化学染色ではα—smooth muscle actinが腫瘍細胞で弱く,周囲の筋組織で強く染色され,CD34は血管内皮細胞で陽性だったが腫瘍細胞は陰性であった.腫瘍塊の周囲ではS−100に陽性の神経線維が認められた.自験例は腫瘍細胞の周辺に平滑筋が多く認められ,Enzingerによる分類のglomangiomyomaに近いものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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