文献詳細
今月の症例
文献概要
35歳経産婦に生じた妊娠性疱疹との鑑別を要した妊娠性痒疹の1例を報告した.過去の妊娠時には異常を認めず.第5子妊娠20週頃より,躯幹,四肢に痒みを伴う紅色丘疹および滲出性紅斑が出現,表面には小びらんおよび血痂を伴っており,激しい痒みのため,睡眠障害をきたした.病理組織学的に真皮浅層に炎症性細胞浸潤を認めた.蛍光抗体法直接法にて基底膜部にIgG,C3の沈着を認めず,血中HG因子,抗基底膜抗体陰性であった.ステロイド外用などの治療には抵抗性を示し,分娩後急速に皮疹が消退した.
掲載誌情報