icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻11号

2002年10月発行

文献概要

症例報告

ステロイド含有テープ剤が奏効した多発性斑状色素沈着症の1例

著者: 滝脇弘嗣1 河野嘉文2

所属機関: 1徳島大学医学部皮膚科学教室 2徳島大学医学部小児科

ページ範囲:P.924 - P.927

文献購入ページに移動
 ステロイド(フルオシノロンアセトニド)含有テープが奏効した多発性斑状色素沈着症の7歳,男児例を報告する.遺伝性球状赤血球症のため脾臓摘出術を受け,ペニシリン製剤を内服していた患児の躯幹に灰褐色の色素斑が多発した.経過からは固定薬疹とはみなし難く,また,紅斑が先行することもなかった.約半年間改善傾向がなかったため,1日1回のテープ貼付を試みたところ,約2か月で色素斑は略治し,同時に生じた皮膚萎縮は数か月で回復した.無処置の皮疹,ハイドロキノンクリーム塗布を行った皮疹は改善しなかった.本症に著効する治療法は知られておらず,小さなテスト部位を設けて効果を確認した上で用いるなら,ステロイド含有テープは治療の選択肢の一つになりうると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?