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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻11号

2002年10月発行

症例報告

隆起性皮膚線維肉腫との鑑別を要したaneurysmal fibrous histiocytoma

著者: 五十嵐努1 竹内紋子1 石地尚興1 上出良一1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.965 - P.968

文献概要

 33歳,男性.初診の7〜8年前より背部に小腫瘤が出現し徐々に増大した.初診時腫瘤の大きさは鶏卵大に及び,一部皮面から隆起し青紫色に透見され,びらんを伴っていた.臨床像,生検像にて隆起性皮膚線維肉腫が疑われたため拡大切除後皮弁形成を行った.病理組織学的には真皮浅層から脂肪織内に腫瘍塊が浸潤性に発育し,その中に赤血球を含む大小の裂隙を形成していた.紡錘形の細胞が花むしろ状に増殖している部分が多く存在し,腫瘍細胞のproliferating cell nuclear antigenの陽性率が高く,一部の腫瘍細胞でCD34が陽性であった.しかし,泡沫細胞の出現,リンパ球,形質細胞の濾胞様細胞浸潤,豊富な出血性病変を有するなど多彩な組織像を呈し,特に腫瘍の中央部では血腫を形成し,ヘモジデリン沈着も著明であったことからaneurysmal fibrous histiocytomaと診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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