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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻11号

2002年10月発行

症例報告

広範囲に脱毛を伴った皮膚T細胞リンパ腫の1例

著者: 西山浩美1 天羽康之1 田邊和美1 矢口厚1 坪井廣美1 勝岡憲生1

所属機関: 1北里大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.977 - P.980

文献概要

 77歳,女性.初診の約1年前に前頭部の脱毛斑,顔面には浸潤を有する紅斑・結節が出現し,徐々に全身へ拡大した.初診時,顔面を含むほぼ全身に,淡紅褐色〜紫赤色の爪甲大までの浸潤ある紅斑および隆起性の結節が多発・融合して認められ,陰毛や腋毛を含めた全身のびまん性脱毛も伴っていた.結節の病理組織像では,真皮全層から皮下脂肪織にかけて異型リンパ球の稠密な浸潤・増殖を認め,脱毛斑部では,毛包内およびeccrine汗器官周囲への異型リンパ球浸潤がみられた.組織学的にcutaneous T-cell lymphoma(CTCL)と診断し,プレドニゾロン内服投与15mg/dayを開始したところ,全身の結節,紅斑は消退し,発毛が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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