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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻11号

2002年10月発行

症例報告

苔癬型皮疹を生じたサルコイドーシスと急性骨髄性白血病の合併例

著者: 黛真理子1 加藤直子1 青柳哲1 菅原弘士1 相川啓子2

所属機関: 1国立札幌病院皮膚科 2国立札幌病院血液内科

ページ範囲:P.984 - P.987

文献概要

 苔癬型皮疹を認めたサルコイドーシスと急性骨髄性白血病(AML)の合併例を報告する.両疾患は同時期発症か,あるいはサルコイドーシスが先行したと考えられた.症例は62歳,男性で,顔面,手掌,足底を除く,ほぼ全身の皮膚に,半米粒大で扁平に隆起した,淡褐色から淡紅色の丘疹の多発を認めた.それらの一部は毛孔一致性で,一部は集簇性に認められたが融合傾向は示さなかった.組織学的に類上皮細胞,リンパ球,巨細胞からなる非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を示した.眼ブドウ膜炎,ツベルクリン反応陰性,リゾチーム高値を認め,皮膚病変として苔癬型皮疹を伴ったサルコイドーシスと診断した.4年前にAMLを発症し,化学療法にて寛解を得ていたが,再発ではない原因不明の一過性の白血球数増加に伴って皮疹も悪化した.サルコイドーシスと急性白血病の合併は稀で,報告例は自験例を含めて13例である.その中でも苔癬型皮疹を伴った例は自験1例のみであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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