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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻12号

2002年11月発行

文献概要

症例報告

多彩な皮疹を呈したamyopathic dermatomyositisの1例

著者: 高理佳1 畑康樹1 鈴木洋介1 河原由恵1 大畑恵之1 谷川瑛子1 西川武二1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1031 - P.1034

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 多彩な皮疹を呈したamyopathic dermatomyositisの1例を経験した.57歳,女性.臀部の紅斑を伴う板状硬結より初発し,次第に皮膚筋炎に典型的なゴットロン徴候,爪囲紅斑が出現.筋症状は認めなかった.経過中に,水疱形成,perforating disorderを思わせる角化性病変,臀部の潰瘍形成と多彩な皮疹が認められた.間質性肺炎を合併したため,プレドニゾロン40mg/日の内服,臀部の潰瘍に対し,シクロスポリン5mg/kg内服を併用し,いずれも軽快した.一般的に皮膚筋炎における水疱や潰瘍形成は予後不良因子として知られているが,自験例は現在のところ比較的経過良好である.しかし,本症においては,急激な間質性肺炎による予後不良な症例も散見されており,今後も慎重な経過観察が必要であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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