文献詳細
症例報告
文献概要
68歳,女性,化膿性膣炎と思われる膿汁を伴う不正性器出血後腹痛,紫斑がみられSchönlein—Henoch紫斑病を疑い入院させた.ステロイド剤投与により,腹痛,紫斑が軽快しはじめた頃,左下1/4半盲の視野障害が出現した.CT,MR,血管造影の結果,半盲は後大脳動脈の血管炎による後頭葉の虚血によるものと思われた.CTなどで画像診断的には改善がみられ,他の臨床症状も改善したにも関わらず,視野障害のみ残存した.Schönlein-Henoch紫斑病は腹部,腎,関節症状以外にも合併症がある.特に,神経障害の合併症は機能回復や生命予後からみても重要なので,注意して観察する必要がある.
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