icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻12号

2002年11月発行

文献概要

症例報告

Nocardia brasiliensisによる皮膚ノカルジア症の1例

著者: 熊谷知子1 嵯峨兵太1 石橋睦子1 檜垣祐子1 井戸田一朗2 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学感染対策科

ページ範囲:P.1048 - P.1051

文献購入ページに移動
 23歳,女性の皮膚ノカルジア症の1例を報告した.6年前にバイク事故で転倒し,右足背に外傷を受けた.その後徐々に同部に結節が出現したため,当科を受診した.初診時,右足背に暗赤色結節が数個集簇し,圧すると膿汁の排泄をみた.生検組織像は膿瘍を伴う肉芽組織で,顆粒や菌糸は認めなかった.生検組織片の培養で,橙黄色のコロニーを得,生理学的性状,リボゾームRNAの塩基配列より本菌をNocardia brasiliensisと同定した.他臓器の病変は認めなかったため,本例を原発性皮膚ノカルジア症と診断した.治療はサルファメトキサゾールの内服が奏効した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?