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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻12号

2002年11月発行

文献概要

症例報告

ステロイド内服が奏効したcytophagic histiocytic panniculitisの1例

著者: 辻本友高1 田子修1 浅田一幸1 渋谷倫子1 伊藤薫1 伊藤雅章1

所属機関: 1新潟大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1063 - P.1066

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 16歳,女性.1998年12月下旬より圧痛を伴う浸潤性紅斑が上肢・体幹に出現.翌年1月頃より,発熱,白血球減少,肝機能障害もきたした.皮膚生検像はlobular panniculitisで,一部に大型の異型リンパ球を認めた.また,皮膚および骨髄に核片や赤血球を貪食した組織球,いわゆるbean-bag cellを認めた.血球貪食細胞はCD68陽性,大型の異型リンパ球はCD3,CD45ROが陽性であった.皮膚組織から抽出したDNAを用いたサザンプロット解析でT細胞の遺伝子再構成は認めず,Epstein—Barr virus由来のDNAは陰性であった.プレドニゾロン30mgの内服で皮疹は速やかに消退し,検査上も白血球数,肝機能,凝固障害の改善を認めた.現在プレドニゾロンを中止し,約2年を経過しているが再燃を認めていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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