症例報告
PUVA-bath療法とIFN—γ併用が著効した菌状息肉症の1例
著者:
新谷洋一1
森田明理1
辻卓夫1
所属機関:
1名古屋市立大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.1067 - P.1070
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69歳,女性.全身に瘙痒を伴った大小扁平に隆起した紅色から茶褐色の局面が出現した.病理組織にて表皮内細胞浸潤,一部にPautrier微小膿瘍の像を認め,扁平浸潤期の菌状息肉症と診断.その後,約3年半の間に外用PUVA療法,IFN—γ単独療法,medium-dose UVA1療法,および2度のPUVA-bath単独療法を行ったが,皮疹は寛解に至るも再燃を繰り返した.今回われわれは,PUVA—bath療法(週4回計29回103.2J/cm2)とIFN—γ(200万単位を週5回連続投与から開始し計30回)を併用し,治療期間約2か月にて皮疹はほぼ寛解し,病理組織上も腫瘍細胞は消失した.どの方法においても皮疹はほぼ寛解に至ったが,再燃までの期間を比較すると,治療前の皮疹の程度は後になるほどより高度になってきたにもかかわらず,PUVA-bath療法とIFN—γの併用療法が最も長い寛解期間をもっており,PUVA-bath療法とINF—γの併用は相加効果が期待できると考えた.