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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻12号

2002年11月発行

症例報告

臨床的に上皮系腫瘍を思わせた外歯瘻の1例

著者: 鈴木由貴1 児島壮一1 秋山正基1 末木博彦1 飯島正文1

所属機関: 1昭和大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1080 - P.1082

文献概要

 76歳,女性の顔面に生じた外歯瘻の1例を報告した.約2年前より左頬部に小結節が出現し,漸次増大.左鼻翼の上外側頬部に豌豆大で暗紅色調の広基有茎性,表面角化性の結節を認めた.臨床診断として脂漏性角化症などの上皮系腫瘍を考え全摘術を予定したが,手術当日に,表面の痂皮が脱落し,肉芽様外観の結節が出現.下床と癒着し,一部は陥凹していたため,生検のみを施行した.病理組織学的に好中球,形質細胞を主体とした著明な炎症細胞浸潤があり,肉芽組織の形成を認めた.生検6日後には結節の鼻側に瘻孔を確認した.この時点で外歯瘻を疑い,オルトパントモグラフィにより左上犬歯歯根部カリエスに起因する外歯瘻と診断した.上顎歯を原因歯とする外歯瘻は比較的稀であり,若干の文献的考察を加えて報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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