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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻12号

2002年11月発行

症例報告

Cowden病の1例

著者: 長坂武1 木花光1

所属機関: 1済生会横浜市南部病院皮膚科

ページ範囲:P.1088 - P.1090

文献概要

 53歳,女性のCowden病の1例を報告した.約15年前から顔面・歯肉・手足・右上肢に自覚症状のない皮疹が多発.大腸ポリポーシス・肝血管腫・甲状腺腫の合併,乳癌・子宮癌の既往あり.家族内同症は不明だが,母親に乳癌・甲状腺腫の既往があり,血液悪性腫瘍で死亡したという.局所麻酔下で鼻の扁平淡黄色丘疹,右上肢の小豆大で弾性硬の半球状常色小結節2個を切除.組織学的に鼻の丘疹はsebaceous hyperplasia,右上肢の小結節は2個ともsclerotic fibroma.過去の報告によると,顔面の丘疹のうち,本症に特徴的であるとされるtrichilemmomaの像を呈する症例は十数%と意外に少ない.また,最近本症でsclerotic fibromaの発生が注目されており,特に多発性の場合,Cowden病のマーカーになりえるとの報告がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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