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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻12号

2002年11月発行

症例報告

Triple extramammary Paget's diseaseに右乳房部病変を伴った1例

著者: 江守裕一1 稲積豊子1 木村俊次1

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科

ページ範囲:P.1091 - P.1094

文献概要

 89歳,男性の外陰部,両腋窩に生じたtriple extramammary Paget's disease(以下,triple EPD)に,右乳房部病変を伴った1例を報告した.陰嚢から一部陰茎にかけて暗紅色の紅斑と脱色素斑とを認めた.右腋窩には鶏卵大の暗紅色の扁平隆起性の局面を認め,左腋窩には淡紅色紅斑を認めた.また,右乳房部に乳輪と連続して長径2cmの淡紅褐色斑を認めた.組織学的には4病変ともほぼ同様で,胞体の明るい大型のPaget細胞が表皮内に増殖しており,それらはPASおよびCEA染色で陽性を示した.本邦でのtriple EPDの報告例は自験例を含め少なくとも60例あったが,その中で乳房部病変を伴った例は稀であり,位置付けについて若干の考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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