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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻12号

2002年11月発行

症例報告

豆状骨骨膜浸潤を認めた左手首有棘細胞癌の1例

著者: 青柳哲1 加藤直子1 木村久美子1 菅原弘士1 加藤貞利2

所属機関: 1国立札幌病院皮膚科 2北海道整形外科記念病院整形外科

ページ範囲:P.1096 - P.1099

文献概要

 81歳,女性.約3年前から左手首に潰瘍性腫瘤が出現した.組織学的に低分化型の有棘細胞癌(SCC)で,皮下脂肪まで達し,中央部は豆状骨の骨膜まで浸潤していた.治療は病変より2cm離して下床の筋の一部とともに豆状骨を摘出した.所属リンパ節転移も認めたため,同時に左腋窩リンパ節郭清術を施行した.術後,シスプラチンによる化学療法および左腋窩への放射線照射を行った.しかし,術後6か月目に植皮部に再発を認めたため,左肘下切断術および左肘リンパ節郭清術を施行した.組織学的に左肘リンパ節転移を認めたため,左肘窩への放射線照射およびネダプラチンによる化学療法を行った.自験例と同様の潰瘍性病変を呈した手SCCで,皮下よりも下方の臓器への深達例をまとめ,治療と予後について考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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