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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻13号

2002年12月発行

文献概要

今月の症例

全身の毛細血管拡張を生じたintravascular large B-cell lymphomaの1例

著者: 小西朝子1 神戸直智1 松村由美1 宮地良樹1 山本玲2 幸谷愛2 堀利行2

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚病態学 2京都大学大学院医学研究科血液病態学

ページ範囲:P.1125 - P.1127

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 74歳,女性.38℃台の発熱,急激な体重増加,躯幹,四肢の広汎な毛細血管の拡張を認めた.全身検索が行われたが,一連の症状を説明しうる原因を同定できなかったため,当科に紹介された.皮膚生検にて毛細血管が拡張し,拡張した血管内に大型異型リンパ球様細胞が充満し,管腔を完全に閉塞する像を認めた.免疫組織化学的検査にて腫瘍細胞はCD 20が陽性であり,遺伝子検査では免疫グロブリン重鎖JH領域の遺伝子再構成が確認された.以上よりintravascular large B-cell lymphomaと診断した.THP-COP療法開始後,発熱や浮腫の消退とともに毛細血管拡張も軽快した.原因不明に,全身に毛細血管拡張を認めた場合は,本疾患も念頭に置き積極的な皮膚生検を行う必要があると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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