icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻13号

2002年12月発行

文献概要

症例報告

限局型小水疱性類天疱瘡の1例

著者: 戸田淳1 村上孝1 山田朋子1 臼井恵太郎1 鈴木正之1 大槻マミ太郎1 中川秀巳1

所属機関: 1自治医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1131 - P.1133

文献購入ページに移動
 43歳,男性.1998年6月より髪際部から前頭部にかけて紅斑が出現し,時々同部に小水疱を認めていた.紅斑の拡大と小水疱の新生のため1999年5月当科を受診した.前額部から髪際部,前頭部の一部にかけて半米粒大までの緊満性小水疱を散在性に認め,一部に小びらんを伴う淡紅色斑を認めた.組織学的所見は好酸球浸潤を伴う表皮下水疱.蛍光抗体直接法でIgG,C3が基底膜部に沈着し蛍光抗体間接法でもIgG抗基底膜抗体が32倍陽性であった.1M-NaCI split skin法では表皮側にIgGの沈着が認められた.以上の結果より限局型小水疱性類天疱瘡と診断.ステロイド軟膏の外用,塩酸ミノサイクリン,ニコチン酸アミドの内服で紅斑,小水疱とも徐々に軽快した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?