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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻13号

2002年12月発行

文献概要

症例報告

Eruptive pyogenic granuloma

著者: 速水誠1 速水真理子2 住本公日乙3 河合修三4

所属機関: 1(医)速水皮膚科 2大阪市立大学大学院医学研究科皮膚科病態学教室 3(医)住本病院 4関西医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1153 - P.1156

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 22歳,男性,ベトナム人.約1年前母国で手術時に輸血を受けた.初診1週間前から頭部,顔面,上胸背部に暗赤色の小腫瘤多数を急激に発生した.口腔内粘膜疹は認めなかった.全身状態は良好.皮疹は直径1〜3mm,円〜楕円型,光沢ある紅色を示す血管腫様小腫瘤で,掻破によるびらんも認めた.bacillary angiomatosism,Kaposi肉腫を疑ったが,HIV−1,2抗体(EIA)陰性,そのほかにも目立った検査値の異常はなかった.組織学的にはcollaretteに抱かれた多数の毛細血管と,その周囲の間質から成る腫瘍で,血管腔の形は整い,内皮は腫大するが異型は示さず核分裂像も観察されなかった.間質には少数のリンパ球,組織球が浸潤するのみで,好中球の浸潤,鍍銀染色による細菌塊などは観察できなかった.アモキシリン1,500mg/日を投与し,約1.5か月後にはすべての皮疹が跡形を残さず消退し,再発はない.本邦にいまだ報告のないeruptive pyogenic granulomaと考え,報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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