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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻2号

2002年02月発行

文献概要

症例報告

上腕皮膚に転移をみた頭部原発の悪性血管内皮細胞腫の1例

著者: 橋口貴樹1 吉井典子1 東裕子1 四本信一1 神崎保1

所属機関: 1鹿児島大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.151 - P.153

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 75歳,女性,頭頂部を打撲した約1か月後から,打撲部位に暗赤色の結節が出現し増大した.その約3か月後,誘因なく上腕にも同様の結節が出現した.病理組織検査では頭部・上腕ともに,高度の出血を伴って腫瘍細胞が索状に配列し,不規則な管腔を形成していた.臨床像と合わせて悪性血管内皮細胞腫と診断した.入院のうえ,全身精査を行ったが,頭部・上腕の結節以外の病変を認めなかった.上腕の結節は頭部より3か月遅れて発生していることから,同時多発も考えられるが,頭部からの転移と考えるのが妥当と思えた.悪性血管内皮細胞腫の皮膚転移例は稀と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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