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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻2号

2002年02月発行

文献概要

症例報告

下肢に多発膿瘍を形成した続発性皮膚アスペルギルス症の1例

著者: 苅谷清徳1 菅野重1 小林桂子1 辻卓夫1 坪井一哉1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部皮膚科学教室 2名古屋市立大学第2内科学教室

ページ範囲:P.171 - P.174

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 68歳,女性1995年8月.急性骨髄性白血病(AML)の発症以後,寛解・再発を繰り返していた.1998年10月から再度化学療法を受けて寛解中であったが,1999年1月に両下肢のみに多発皮下膿瘍,皮下硬結,潰瘍が出現.膿汁直接鏡検にてY字型に分岐する菌糸を多数,また組織学的に皮下組織に膿瘍と膿瘍内に隔壁を有する太い菌糸を認め,さらに培養よりAspergillus flauusを分離した.胸部CTにて膿瘍または腫瘤と胸水貯留があり,これが原発巣で,それより菌が血行性に播種したと考えられた.皮疹発生約4か月後,AML再発と細菌性肺炎のため死亡した.AML化学療法中に併発した極めて稀な続発性皮膚アスペルギルス症を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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