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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻3号

2002年03月発行

症例報告

セファクロルによるアナフィラキシーショック—内服テスト(漸増法)により不応性がみられた1例

著者: 国定充1 足立厚子1 酒井真紀子1 松本聡子1 林一弘1

所属機関: 1兵庫県立加古川病院皮膚科

ページ範囲:P.206 - P.209

文献概要

 58歳,女性.感冒にてセファクロル(CCL)など6剤を内服した.内服30分後,薬剤性アナフィラキシーショックが出現した.使用薬剤のスクラッチテストでCCLが強陽性を示した.CCL以外の内服テストはすべて陰性であった.CCLは常用量の1/1,000量より開始し,3日間で常用量まで漸増する方法で内服テストを施行したが,症状誘発をみなかった.しかし,3日間の休薬の後に再度常用量を内服したところ,15分後より明らかな陽性所見を得た.内服テスト(漸増法)の経過中に一時的に不応性となり,内服テストが偽陰性を示したものと考えた.さらにCCLを少量より開始,漸増し,維持量を内服し続けることにより,脱感作が成立する可能性があることを示唆する所見であると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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