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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻3号

2002年03月発行

症例報告

壊死性筋膜炎の早期例

著者: 北島進司1 山本あい1 徳田瑞子1 菅野重1 久野芳範1 辻卓夫1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.231 - P.233

文献概要

 82歳,女性.右前腕を猫にかまれた後,前腕と手背に紅斑と腫脹を生じた.蜂窩織炎の疑いで,入院にてフロモキセフの点滴静注を施行したが,3日で紅斑は上腕に,圧痛の範囲は右肩と右胸にまで拡大した.血液検査上DICの徴候を示したため,壊死性筋膜炎を疑い,紅斑と腫脹の強い前腕部を深筋膜直上まで切開し,皮下脂肪織と深筋膜との間を用手的に剥離し開放とし,抗生剤はピペラシリンとイミペネムの2剤併用とした.その後,皮疹,検査所見とも改善したが,右肘の紅斑と硬結が増悪したため,同部を切開・開放とし,ミノサイクリンを追加した.その後,手背に紅斑と圧痛が残ったが,メロペネムとミノサイクリンの点滴で軽快した.発症3日後に生検した前腕の紅斑部の組織では,皮下組織の最深部を中心に,密な好中球の浸潤と球菌の集塊がみられ,壊死性筋膜炎の早期の組織所見と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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