icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻3号

2002年03月発行

文献概要

症例報告

多発性骨髄腫を伴った全身性強皮症の1例—両側胸部皮下に埋め込まれた異物との関連について

著者: 武藤美香1 福澤正男1 松原麻貴1 徳田安孝1 斎田俊明1

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.240 - P.243

文献購入ページに移動
 74歳,男性.約40年前に健康のための民間療法として両側胸部に異物を埋め込まれた.73歳時に直腸癌で手術,UFTを内服していたが,強皮症症状が出現したため中止.精査の結果,多発性骨髄腫を伴った全身性強皮症と診断.男性で発症年齢が高く,短期間で皮膚硬化が進むなど非定型的であり,胸壁異物が原因のヒトアジュバント病として生じた全身性強皮症と多発性骨髄腫を疑った.胸壁異物を摘出し,成分分析,組織学的,電顕的に検討したところ,異物の本体はカルシウムアパタイトと判明した.組織学的にも炎症所見に乏しく,異物反応も認めないことから,ヒトアジュバント病としての全身性強皮症,多発性骨髄腫の可能性は低いと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?