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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻4号

2002年04月発行

原著

背部に遊走性紅斑を生じたライム病—最近報告された国内72症例の臨床的特徴

著者: 金子健彦1 浅野善英1 服部尚子1 小宮根真弓1 川端康浩1 相馬良直1 薦田房子2

所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院皮膚科 2東京大学医学部附属病院小児科

ページ範囲:P.291 - P.294

文献概要

 11歳,女児.長野県軽井沢町にて背部を刺症.約20日後,同部位を中心として拡大傾向のある紅斑を生じた.全身状態良好.血算,生化学検査で著変なし.Borrelia gariniiならびにburgdorferiに対するIgM抗体陽性.組織学的に虫体口器の残存を認めた.ドキシサイクリンハイドロクロライド計5週間の投与にて紅斑は消失した.本邦報告72症例(男性39例,女性32例,不明1例)を集計した.年齢分布では40〜60歳台までの症例が52例(72%)と過半数を占めていた.刺症部位は上肢を刺された症例が17例(27%)と最も多かった.紅斑の大きさは平均18.5cmであった.23例(32%)では臨床的に皮膚症状のみであったが,何らかの神経症状を認めた症例が15例(21%)存在した.治療としては,ペニシリン系とテトラサイクリン系薬剤がそれぞれ25例(37%),23例(34%)で使用されていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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