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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻4号

2002年04月発行

文献概要

症例報告

良性対称性脂肪腫症の1例

著者: 東條理子1 古川裕利1 高橋政史1 舘下亨1 佐久間陽子1 元木良和1 小野一郎1 金子史男1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.357 - P.359

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 良性対称性脂肪腫症は頸部,体幹および四肢に左右対称性,びまん性に脂肪組織の増殖をきたし,独特な外観を呈する稀な疾患である.症例は55歳,男性.42歳時よりアルコール性慢性肝炎を指摘されていた.その後,45歳頃より頸部,背部,両側上腕部の腫脹に気づき,54歳時に後頸部の腫脹は脂肪腫と診断され,精査・加療のため当科に入院した.入院時所見では,身長,体重に比して躯幹はやや肥満を示し,頸部,胸背部,肩部,両側上腕部に境界不明瞭で柔らかい皮下の腫瘤状隆起が左右対称性にみられた.生検所見では被膜のない正常の脂肪組織像であった.本症の成因についてはアルコール多飲,高脂血症,高尿酸血症,OGTT異常,内分泌疾患などの報告があり,その典型例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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