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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻5号

2002年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2002 1.最近話題の皮膚疾患

肛囲溶連菌性皮膚炎

著者: 肥後順子1 岩本孝1 木藤正人1 小野友道2

所属機関: 1熊本市民病院皮膚科 2熊本大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.9 - P.12

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 肛囲溶連菌性皮膚炎(perianal streptococcal dermatitis:PSD)の小児20例の臨床像をまとめた.発症年齢は6か月から10歳,男児8例,女児12例で,女児に若干多かった.臨床像は肛囲の紅斑が主たる病変で,びらん,亀裂形成,落屑も一部にみられた.発熱を生じた6例中4例で咽頭溶連菌感染症を伴い,女児12例中5例で外陰膣炎を併発していた.肛門部の細菌検査にはA群溶連菌迅速診断法であるストレップAテストパックを用い,陽性所見を診断根拠としたが,本法により早期の治療開始が可能なため,有用な方法であると思われた.多形紅斑,蕁麻疹を伴っていた例ではPSDの治療によりそれらの症状も軽快した.また全体の半数にあたる10例はアトピー性皮膚炎患者であった.PSDは決して稀な疾患ではなく,この疾患を念頭において肛囲に目を向けることが重要であると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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