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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻5号

2002年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2002 1.最近話題の皮膚疾患

VAHS

著者: 常深祐一郎1 玉木毅2

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科外科学専攻感覚・運動機能医学皮膚科学分野 2国立国際医療センター皮膚科

ページ範囲:P.27 - P.31

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 VAHS(virus-associated hemophagocytic syndrome)とは,全身性のウイルス感染症に伴って骨髄や網内系にて反応性に組織球が増殖し,血球貪食を行う病態である.末梢血中で血球減少が起こるほか,発熱,リンパ節腫脹,肝・脾腫,皮疹,肝機能障害,出血凝固異常などの全身症状を伴うことが多く,ときにDICなどを引き起こし重症化することもある.本稿では筆者らの経験した麻疹に伴うVAHSの症例を供覧するとともに,VAHSについて解説する.全身性ウイルス感染症は皮疹を伴うことが多いため,皮膚科にて診療を行うことも多い.軽度〜中等度の血球減少はしばしば認められるが,高度な血球減少を呈した場合,重症化する可能性もあるVAHSも念頭に置き,積極的に診断確定のための骨髄の評価を行う必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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