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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻5号

2002年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2002 1.最近話題の皮膚疾患

同種末梢血幹細胞移植後の皮膚症状

著者: 松村由美1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚病態学

ページ範囲:P.32 - P.36

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 同種末梢血幹細胞移植は末梢血を造血幹細胞源とする造血幹細胞移植の一法であり,同種骨髄移植の代替法として定着しつつある.移植後に出現しうる皮疹としては,骨髄移植後と同様,移植片対宿主病(graft-versus-host disease:GVHD),eruptions of lymphocyte recovery,薬疹,治療関連毒性による皮疹,ウイルス疹が挙げられる.組織学的にこれらを鑑別することは不可能であり,臨床経過を併せて判断するしかないものの,鑑別困難な例が多い.免疫抑制剤の減量の有無,皮疹発症時期,末梢白血球数などが診断の参考になりうる.本稿では同種末梢血幹細胞移植後の急性GVHDの1例と,参考症例として同種骨髄移植後のeruptions of lymphocyte recoveryの1例を提示した.これらの鑑別の際に問題となるのは,治療が必要な急性GVHDを見落とさないことである.したがって,鑑別困難な例は急性GVHDと仮定して治療開始の判断をすることが肝要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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