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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻5号

2002年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2002 2.皮膚疾患の病態

メンタルストレスと角層機能

著者: 傳田光洋1

所属機関: 1資生堂ライフサイエンス研究センター

ページ範囲:P.43 - P.46

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 メンタルストレスがバリアー機能低下を伴う皮膚疾患を悪化させる傾向があることについては,いくつかの疫学的報告がある.そこでメンタルストレスと皮膚バリアー機能との関連を調べた.飼育環境変化に伴い,ヘアレスマウスの血中コルチコステロン量が上昇し,テープストリッピング後のバリアー回復が遅延した.トランキライザー投与はこのコルチコステロンの上昇を抑制し,バリアー回復速度をもとのレベルに戻した.グルココルチコイドレセプターアンタゴニストの投与もストレスによるバリアー遅延を抑制した.さらに鎮静効果がある香料にもストレスに伴う皮膚バリアー回復遅延を抑制する効果が認められた.ヒトでもこの香料によるバリアー回復促進が観察され,同時に脳波計測からもこの香料の鎮静効果が確認された.これらの結果は心理的因子が皮膚バリアー機能に影響を及ぼすこと,それに対する嗅覚刺激などによるメンタルケアの有効性を示唆している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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