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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2002 2.皮膚疾患の病態
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)におけるデスモグレイン1の関与
著者: 天谷雅行1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.58 - P.61
文献購入ページに移動 伝染性膿痂疹およびその全身型であるブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)は,黄色ブドウ球菌の産生する表皮剥脱性毒素(exfoliative toxin:ET)により表皮に水疱形成が誘導される疾患である.ETの表皮剥脱活性は1970年以来認められていたものの,分子レベルの作用機序が不明であった.落葉状天疱瘡とSSSSの臨床および病理学的所見の類似性から,ETの標的蛋白が落葉状天疱瘡抗原であるデスモグレイン1であることが疑われ,実験的に証明された.表皮上層における細胞間接着に重要な役割をしているデスモグレイン1は,自己免疫の標的であるばかりでなく,黄色ブドウ球菌の外毒素の標的ともなっていたわけである.
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