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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻5号

2002年04月発行

文献概要

Derm.2002

「光老化(しみ)外来」を始めてみて

著者: 川田暁1

所属機関: 1近畿大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.83 - P.83

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 私が皮膚科に入局したのは今から22年ほど前である.当時から老人性色素斑の患者がくると,特に悪性化することはないと説明して,無治療で帰っていただいていた.30代の女性などに“老人性色素斑”と説明すると,それだけで嫌な顔をされたことを思い出す.仕方なく「年齢とともに増えるしみです」と逃げていた.2年前から「光老化(しみ)外来」を始めて,老人性色素斑を主訴とする多数の患者を診察し,Qスイッチルビーレーザー,炭酸ガスレーザー,Intense Pulsed Lightなどで治療するようになった.そこで,この言葉を使うのをやめたいと思い,欧米の教科書を読んでみた。すると“日光黒子(solarlentigo)”という言葉のほうがよく使用されているのに気づき,現在では“日光黒子”という病名で説明している.
 また老人性血管腫も20代,へたをすれば10代後半から出現する.私自身も20代から何個か所有している.この言葉も語感が悪いので,ルビースポットという名前で患者さんに説明している.老人性疣贅は脂漏性角化症,老人性角化腫は日光角化症と言い換えている.老人性皮膚瘙痒症も皮膚瘙痒症といえばそれですむ.しかし老人性紫斑,老人性白斑,老人性脂腺増生症はどうしたらよいだろう.別の病名を考え,それで呼んだほうがよいのかもしれない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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