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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻5号

2002年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2002 4.皮膚疾患治療のポイント

術後早期入浴と術後創における消毒の検討

著者: 木村裕1 水芦政人1 角田孝彦1

所属機関: 1山形市立病院済生館皮膚科

ページ範囲:P.129 - P.133

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 最近,皮膚科外来小手術後の早期入浴はまったく問題がなく,むしろ創治癒によいことが報告されている.当科にても手術翌日からの早期入浴を試み,創の状態および早期入浴に対する患者の意識調査を行った.術後の経過に問題のあった症例は1例もなかった.アンケートの結果,高齢者では術後早期入浴に不安を持ち,望まない人がかなり多いことがわかった.
 近年,術後の創のポビドンヨード製剤(以下,PI剤)による消毒の是非について論議されている.そこで,術後創を二分し,片方を10%PI剤消毒,もう片方を生理食塩水外用とし抜糸時まで観察,PI剤消毒により創治癒の遅延がみられるかどうかを検討した.1例を除き両部位に差異はみられなかった.1例,PI剤消毒部位に発赤のみられた患者に対しPI剤のパッチテストを施行したところ,陽性となった.PI剤による接触皮膚炎に留意する必要はあるが,PI剤を用いても創の治癒が遅れるということは認められなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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