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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻5号

2002年04月発行

文献概要

Derm.2002

過激な人妻

著者: 山本明美1

所属機関: 1旭川医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.150 - P.150

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 携帯電話に“迷惑メール”と呼ばれるものが頻繁に送られてくる.その多くが“出会い系サイト”とかいうものの案内である.対象は若い独身女性ばかりかと思いきや,なかに“過激な人妻との出会い”というのがあった.確かにこちらは人妻であり,ある意味では過激でもある.私の周囲には学生や若手医師に優しい教官が多く,“過激”な人材は稀である.
 本学では学生への講義には秘書が出席カードを配っており,一定の出席率をとっていない科目は試験を受けることができない.その日に欠席した友人の分のカードをねだる光景などもたまに見受けられる.最近,皮膚科の講義が2コマ連続であった日,終わって何時間もたってから,医局に1人の女子学生がやってきて,さっきの講義でカードを配っているときに,「席をはずしていて,もらいそこなった」といった.秘書は2コマともカード配りの時間にたまたまいなかったのか,と聞き返したが,そうだと主張する.さらに,誰の講義だったか,と尋問しても,先生の名前までは知らない,という.その場には実は1コマ目の講義をしたT講師が居合わせており,本当に出席していれば,この先生でした,といえるはずなのである.カードをわたせ,いやわたせない,と学生と秘書の押し問答が続いた.T講師はいたたまれなくなり,「いいからカードぐらいやれ」と秘書に命じた.それを見ていた私は学生にいった.「ちょっと待ちな.本当に講義に出てたっていうんなら,何の講義だったかいってみな」.学生は答えられない.「何の講義だったか一言もいえないんだったら,講義にでていたとは言えないでしょ.帰んな」といったら,学生は出ていった.私はそれでも憤りがおさまらず,「本当にもう,近頃の女子学生ときたら.私の頃はね,女子学生といえば皆まじめで,優秀だったのととこぼすことしばし.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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