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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻5号

2002年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2002 5.皮膚科医のための臨床トピックス

ラタノプロスト点眼薬による眼瞼部の多毛症

著者: 出光俊郎1 播摩奈津子2 杉山俊博3 山田酉之4 眞鍋求2

所属機関: 1自治医科大学附属大宮医療センター皮膚科 2秋田大学医学部皮膚科学教室 3秋田大学医学部第1生化学教室 4山田眼科医院

ページ範囲:P.158 - P.160

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 ラタノプロストはプロスタグランジンF2α(PGF 2α)のアナログで,緑内障治療薬として広く使用されている薬剤である.本薬剤の点眼により眼瞼の多毛,睫毛の長さ,太さの増大,眼瞼皮膚の褐色色素沈着,虹彩の色素沈着,結膜充血などが起こることが知られてきた.とりわけ外国人に比べて日本人では眼瞼周囲の多毛が目立つ傾向にある.ラタノプロストによる多毛の機序としては,毛嚢周囲の血流増加,毛母細胞や毛乳頭細胞への直接刺激作用などが想定されているが,いまだ解明されていない.ラタノプロストでは局所的副作用として眼瞼周囲の多毛が起こることから,本薬剤による多毛機序の研究が男性型脱毛症の治療に対して貢献しうるものと期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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