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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻5号

2002年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2002 5.皮膚科医のための臨床トピックス

イベルメクチンによる疥癬の治療

著者: 大滝倫子1

所属機関: 1九段坂病院皮膚科

ページ範囲:P.165 - P.167

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 イベルメクチンはマクロライド系化合物で,GABAを作動薬として働き,神経刺激を遮断して寄生虫を麻痺させ死滅させる.血液脳関門を通過しにくく,脊椎動物には安全とされる.GABA機構を持つ線虫,昆虫・ダニなどに有効で,動物用体外,体内寄生虫治療薬として用いられている.ヒトではオンコセルカ症などに,近年では病癬に経口薬として使われている.1回投与量は200μg/kg,普通の疥癬では1〜2回,角化型疥癬では1〜数回,投与間隔は1週間とする.角層には移行しない.幼児,妊婦,授乳中の婦人には投与しない.副作用は初回投与後に一時的瘙痒の増強,皮疹の増悪などがある.国内で糞線虫に対し近年中に発売される予定であるが,疥癬は適応症ではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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