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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻5号

2002年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2002 5.皮膚科医のための臨床トピックス

ペットボトル症候群と色素性痒疹

著者: 三橋善比古1 鈴木紀子1 青木武彦1

所属機関: 1山形大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.170 - P.172

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 ペットボトル症候群とは,潜在的糖尿病患者が,糖分を含む清涼飲料水を多飲することによって生じる糖尿病性ケトーシスである.本症候群でみられる糖尿病は,抗インスリン抗体を持たないtype IIのNIDDMで,肥満した若年男性に好発し,糖尿病であるという自覚を持っていないことが特徴とされる.一見正常の太った青年が多量の清涼飲料水を摂取した後,口渇,全身倦怠感を訴え,ときに悪心,嘔吐,意識障害や腹痛を生じる.検査で高血糖とケトーシスまたはケトアシドーシスを示す.急に清涼飲料水を多飲するようになる誘因として,神経症や精神病的基盤,または受験や入社などによる精神的ストレスなどが重視されている.本症について概説するとともに,色素性痒疹の発症を契機に本症が発見され,治療によってケトーシスと色素性痒疹ともに軽快に導くことができた1例を報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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