原著
基底細胞癌の病理組織学的分類法
著者:
村澤章子1
木村鉄宣2
所属機関:
1北海道勤労者医療協会中央病院皮膚科
2札幌皮膚病理研究所
ページ範囲:P.392 - P.397
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今回,筆者らは,基底細胞癌を腫瘍巣の形態と周囲との境界の明瞭さを考慮し,病理組織学的に①nodular type(亜型としてmicronodular type, basosquamous type),②superficial type,③fibroepitheliomatous type,④morpheic typeの4型と2亜型に分類した.102例の分類の結果は,nodular type 79例(うちmicronodular type 2例,basosquamous type 5例),superficial type 10例,fibroepitheliomatous type 3例,morpheic type 10例であった.このうち,周囲健常組織との境界が不明瞭なタイプはnodular typeの中のmicronodular typeとmorpheic typeであり,切除の際に腫瘍を取り残す可能性があるため,手術範囲の決定に注意が必要である.また,basosquamous typeの治療については個々の症例に応じた対応が必要である.