icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻6号

2002年05月発行

文献概要

症例報告

糖尿病患者に合併したガス壊疽の2例

著者: 吉野恵1 鈴木かやの1 青木見佳子1 川名誠司1

所属機関: 1日本医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.417 - P.420

文献購入ページに移動
 症例1は74歳,女性.糖尿病性腎症にて透析中であった.子宮頸癌の放射線療法にて膀胱膣瘻を形成した.右鼠径から下肢に悪臭を伴う皮膚の青銅色変化と水庖が出現し,高度の腫脹と握雪愁を認めた.症例2は72歳,女性.30年来の糖尿病がある.1か月前より左第1趾に水疱が出現したが放置していた.前日より足背に腫脹が拡大し,悪臭を伴った.2例とも単純X線撮影にて皮下のガス像が描出され,ガス壊疽と診断した.症例1は非クロストリジウム性,症例2はClostridium perfringensを検出した.糖尿病患者の炎症性,潰瘍性病変の診療にあたっては,積極的にX線撮影,嫌気培養などを行うことが早期診断に役立つと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?