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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻6号

2002年05月発行

文献概要

症例報告

Tufted hair folliculitisの1例

著者: 江守裕一1 稲積豊子1 木村俊次1

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科

ページ範囲:P.421 - P.423

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 48歳,女性.初診の約2年前から頭頂部に瘙痒を伴う脱毛斑が出現した.初診時,鶏卵大の脱毛斑を認め,淡紅色,瘢痕性で硬く多少の凹凸と圧痛があり,束状で疎な発毛がみられた.ミノサイクリン,トラニラストにて炎症と硬さが多少軽快したが,それ以上軽快しないため,局麻下にて切除,縫縮した.病理組織学的に毛包周囲の多核巨細胞による毛破片貪食像から真皮全般の線維化に至る変化がみられた.また,複数の毛包が一塊となって1つの開口部を形成していた.以上の臨床症状と病理組織学的所見からtufted hair folliculitis(THF)と診断した.THFの本邦報告例は少なく,これまで切除例はみられない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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