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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻6号

2002年05月発行

文献概要

症例報告

ステロイド治療が有効であった特発性無汗症の1例

著者: 若林晃子1 竹中秀也1 山本真理1 岸本三郎1 安野洋一1 宮下文2 吉川治雄3

所属機関: 1京都府立医科大学皮膚科学教室 2近江八幡市民病院皮膚科 3近江八幡市民病院神経内科

ページ範囲:P.434 - P.437

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 34歳,男性.1996年9月頃より耳介,腋窩を除く皮膚からの発汗量が減少した.初診時,皮膚に異常所見はなく,血液検査,尿検査,自律神経機能検査にも異常はなかった.病理組織学的にはエクリン汗腺分泌部の汗腺壁の肥厚,空胞変性,明調細胞の減少を認めた.コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム1,000mg/日を3日間点滴静注後,プレドニゾロン内服40mg/日より漸減した.ステロイド投与前と投与開始後10日目に,15分間トレッドミルにて運動負荷し,桜井モンタニア法発汗テストを行ったところ,後者で胸部・腹部の発汗量の増加を認めた.現在でもプレドニゾロン5mg内服隔日投与により発汗量の低下は認めない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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