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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻7号

2002年06月発行

文献概要

症例報告

全身性強皮症を合併した尋常性乾癬の1例

著者: 長谷川道子1 安部正敏1 石川治1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.525 - P.528

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 33歳,女性.初診13年前より尋常性乾癬に対してステロイド外用療法とPUVA療法を行い,皮疹は軽快していた.その後,通院中にRaynaud現象,強指症が出現したため全身性強皮症を疑い精査した.その結果,抗核抗体2,560倍および抗RNP抗体,抗Scl−70抗体陽性,前腕の組織学的所見では真皮膠原線維の膨化,均質化を認め,内臓病変として肺線維症,食道の拡張を確認したため,diffuse cutaneous typeの全身性強皮症と診断した.全身性強皮症と尋常性乾癬の合併本邦報告例は5例と稀である.自験例を含めた症例の検討では,抗Scl−70抗体が陰性または低値陽性であるにもかかわらず,高率に全身性強皮症にみられる内臓病変を伴っていた.しかし,両者合併の機序は疫学的にみても偶発と考えるのが妥当と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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