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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻7号

2002年06月発行

文献概要

症例報告

虫刺,接触皮膚炎が誘因と考えられたWells症候群の1例

著者: 三浦大1 竹本啓伸1 鳴海博美1 野村和夫1 福士堯2

所属機関: 1青森県立中央病院皮膚科 2青森慈恵会病院皮膚科

ページ範囲:P.533 - P.536

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 56歳,男性.虫刺症に対するアクリノール使用後,左上肢に浮腫性,浸潤性紅斑が出現.その上に小水疱および小丘疹が多発集簇していた.病理組織所見では真皮に好酸球の非常に密な浸潤があり,flame figureもみられた.検査所見では白血球数26,500/μl,好酸球17.1%,IgE7,136U/mlと著明な上昇がみられたが,IL−5の上昇はみられなかった.Wells症候群と診断し,プレドニゾロン40mg/日を開始したところ諸症状は速やかに正常化した.治療後,好酸球数は正常化したが,IgEは高値のまま持続した.自験例では虫刺,アクリノールによる接触皮膚炎が抗原となり,これに対応するIgEの生成がWells症候群の病状形成に関与している可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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